ハピネススタイルAX教室 第1回の様子。講師が投影画面の前でAIエージェントの操作を実演している

「これからのコンピューター操作は、キーボードが打てるかどうかじゃありません。声で足ります」
——第1回のいちばん大きな地殻変動は、この一言に集約されます。

Ontology incubationの新しい教室「ハピネススタイルAX教室」が、2026年7月4日に開講しました。SOVREN FrameworkのS1・S2を、2時間×全6回で自分の事業に実装していく講座です。題材には不動産業を例に取り、資産の管理、顧客や提携先との接続など、どんな事業にも共通する必須トピックを学んでいきます。

集まったのは5名。採用支援、損害保険、小売、そして不動産。AIの利用経験も「ChatGPTを触ったことがある」から「資料作成で日常的に使う」までバラバラです。共通点はただ一つ、コードを書く人が一人もいないこと。この教室は、そこから始めるための場所です。


やったこと①:AIエージェントに「仕事場」を渡す

初回のゴールは明快でした。自分のPCに、AIエージェント(Antigravity)を導入し、エージェントが読み書きできる専用の作業フォルダ——マイプロジェクト——を作ること。

チャット型のAIと違い、エージェントはファイルを読み、書き、整理します。だから最初に渡すべきは質問ではなく「仕事場」です。システムファイルを壊さない場所に専用フォルダを作り、エージェントの権限は都度確認のストリクトモードではなく、ある程度任せるエージェントドリブンモードに設定する。過剰な確認作業を省き、AIに働いてもらう体制を最初に作りました。


やったこと②:キーボードではなく、声で入力する

ここが、この教室のいちばんの発明かもしれません。長文を打つ代わりに、Windowsキー+Hの音声入力で、思いついたことをそのまま吹き込む。

自己紹介、今日の業務の振り返り、明日やること。話した内容はMarkdownファイルとしてエージェントが整理してくれます。タイピングの速さはもう関係ない——従来のPCスキルを問わず、誰もがAIを制御できる。参加者のみなさんが一番目を見開いたのは、この瞬間でした。

ハピネススタイルAX教室 第1回。参加者それぞれが自分のPCで手を動かしている様子

やったこと③:AIに「自分の文脈」を教え始める

仕事場ができたら、次は中身です。日記(Diary)フォルダに日々の振り返りを音声で記録し、People フォルダにクライアントや知人の情報を置く。すると、エージェントは日記と人物情報を結びつけて、「あなたの人間関係と文脈を踏まえた回答」を返すようになります。

ここで講師が強調したのが、精度の源泉です。AIの回答が的確になるかどうかは、モデルの賢さより、ネット上に存在しない、あなただけの情報をどれだけ渡せているかで決まる。給与や労務のデータ、業務の悩み、現場の観察——これらが蓄積されるほど、AIは「一般論を言う道具」から「自分の参謀」に変わっていきます。

運用のコツ:「ゴミ取り」を習慣にする

AIが生成したファイルは、定期的に中身を確認して、矛盾や不要な情報を削除する。このとき直接テキストを書き換えるのではなく、AIに修正指示を出すのがポイント。一貫性が保たれ、ファイルが「育つ」状態を維持できます。


この先の6回で、どこまで行くか

第1回の終わりに、全6回のカリキュラムが示されました。日々の記憶の蓄積から始めて、情報を体系化するオントロジーの構築へ。さらにプロモーション、そして最終回では自分の会社の経営計画を自分の手で作るところまで進みます。

次回からは、今日作った仕事場に「自分の事業の地図」を描き込んでいきます。

コードは書かない。キーボードすら、あまり使わない。それでも95分後、5人のPCにはAIの仕事場ができていた——教室の外にも再現できる、開講初日の事実です。

この回の内容を、教科書で体系的に

この回の内容は、SOVREN Framework(無料・オープンソース)の教科書 S1「自分の情報を自分の手に取り戻す」 に、フォルダ構築からMarkdown運用までの手順としてまとまっています。

S1:自分の情報を自分の手に取り戻す(教科書)

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